彼女を言い負かすのは多分無理2

彼女を言い負かすのはたぶん無理 2 (スマッシュ文庫)

彼女を言い負かすのはたぶん無理 2 (スマッシュ文庫)

 問題児の巣窟といわれるディベート部に入部することになってしまった少年。その日から平凡だった学園生活は一転、波瀾万丈な毎日が始まった。少年はディベートの天才と呼ばれる美少女副部長に鍛えられ、自らの才能を開花させていく。


 刊行ペースは不定期で、いまだ手探り感の拭えない状態のスマッシュ文庫。1年4ヶ月で9冊と、刊行点数は少ないけれど個人的に当たり率が高いです。
そしてそんな中でトップクラスにオススメなのがこちら。

紹介動画も作ってあったりしてPHPもかなり力を入れてるっぽいです。


 内容は紹介にあるようにディベートを題材にしたラブコメなんだけど、別に堅苦しいところは一切ありません。ディベートのルールやらなんやらを知らなくても文中のちょっとした解説だけで最後までスラスラっと読めてしまいます。そんでもってディベートのテーマ自体が結構はっちゃけてるのでラノベ読みには楽しめるものになってる。とはいえ内容的にはディベートがメインなわけではなく、ディベートとラブコメが半々くらい。2巻になるとラブコメ要素のほうが押しだします。この引きで続刊が出なければ恨むけど、売上的にも充分いけるんじゃないかな。期待。


 最後に蛇足だけど、スマッシュ文庫は全般的に挿絵が通常のラノベより多く用意されていて、その使われ方が非常に上手いです。もともとラノベって、絵から読み取るキャラの心情が結構あるんだけど、このレーベルは他社のそれよりも遥かに強烈。あんまり絵に頼りすぎるのもちょっと…って人もいるかもしれないけど、この部分はラノベの強みでもあるし、これがレーベルの色になるなら全然OKだと思う。レーベル色って大事だよね。ガガガなんかも独自路線強いよね。一迅社さんとは何回も話したことあるけどちょっと攻めあぐねてる感じ。色々試してるのは凄く伝わってくるんだけども。そんなわけでスマッシュ文庫にはぜひともこのまま頑張っていって欲しい。