シャイニング・ブレイド
 | シャイニング・ブレイド (2012/03/15) Sony PSP 商品詳細を見る |
Tonyシャイニングに当たりなし！のジンクス通り、やっぱりガッカリシャイニングでした。
ちなみに、発売までに公開されてた情報が少なくて、スクリーンショットから戦場のヴァルキュリアみたいなシステムなんじゃね？と言われていたり……っつーかゲーム屋店員と話をしてたんだけど、いざふたを開けてみたら戦ヴァルを超劣化させた戦闘システムだったよorz
戦闘について。
超ヌル難易度。Lv上げなんぞ必要もなく、普通にやってるだけでラスボスを２ターンキル出来るレベルにまで成長します。あとキャラクターもたくさんいるけど、ぶっちゃけどのキャラ使ってても詰まることほとんどないから、好きなキャラ使えばいいんじゃないかな？って感じ。
ただし、仲間になるキャラは22人いるけど出撃枠は5人までで控えメンバーは3人までだから注意してくれよな！
あと出撃したメンバーと控えメンバーとの交代はマップクリア後にしか出来ないから、２マップ連続でクリアしないといけない面とかでないと交代は出来ないぞ！１マップクリアで次に進んじゃう面では控えメンバーは登録されてるだけで出撃は出来ないからな！
さらに補足すると２マップ連続でクリアっていっても、１マップ目をクリアしたら出撃したメンバーのHPは、瀕死のキャラ以外は基本全回復するから別に無理に変える必要はないんだぞ、っと！
…………なに考えてこんな出撃システムにしたの？
理解に苦しむレベル。
っつーか戦闘中に同じマップ内でメンバーの入れ替え出来ねえんなら控えとかいらないだろ。
これが戦場のヴァルキュリアだと、職がある程度たくさんあってそれぞれ役目に応じて出撃させないと戦闘が辛いってのがあるから、同マップ中に出撃メンバーを随時入れ替えて戦闘を組み立てていかなきゃーいけない。でもそれが楽しいし、実際職の差別化もかなりきっちりしてるから、出撃させるメンバーも吟味する。
偵察兵→「移動距離が長い。攻撃力はあまりない。銃の装弾数多くない」
突撃兵→「移動距離普通。対人攻撃力高い。マシンガン装備」
対戦車兵→「耐久力高い。移動距離短い。戦車に大ダメージ。単発のバズーカみたいな感じ」
技工兵→「移動距離短い。近接攻撃しか出来ない。対人攻撃力はそこそこ。盾を持ってるから迎撃されても大丈夫。修理なら任せておけ」
救護兵→「移動距離長い。攻撃力低い。瀕死の味方を助けれる」
剣甲兵→「移動距離短い。対人攻撃力最強」
とまあ軽く書いただけでもかなりの差別化が図られてる。あとはまあ単体攻撃か範囲攻撃かとかそういった差もあるんだけど、その辺は割愛。
が、これがシャイニングブレイドだと
剣士→「攻撃力高い。複数回攻撃できるけど、攻撃範囲狭い」
弓使い→「剣士より攻撃力高い。ただし単発。射程長い」
魔法使い→「攻撃力低い。単発攻撃。ただし同時に射程内の複数の敵に攻撃できる」
そもそも職が３つしかなかったわ。
あと移動距離は職業じゃなくてキャラごとに設定されてるし、攻撃回数なんかもキャラによって違ってて職業でどうこうってわけじゃない。さらにこの敵には魔法しか効かない、とかそういうのもいないから、Aに対するB、Bに対してはCとかって図式も成立しない。んでもってこれが一番の問題点だと思うけど、ぶっちゃけ剣士だろうと弓使いだろうと魔法使いだろうと誰使おうがヌルゲー難易度でクリアできてしまう。
一応敵にも弱点なんかが設定されてて、このボスには炎が効くよ、とかこいつには射撃が効くよ、とか色々あるんだけど特に意識しなくてもまったく問題なくクリアできるし、意識しようにも実は戦闘マップに入る前に敵の内容を確認出来ないから、マップに合わせて戦闘メンバーを選ぶことなんて出来なかったりする。そんでもって先に書いた通り、戦闘中はメンバー入替出来ないわけで……本当に意味不明だよ！
あと戦闘中のテンポの悪さもヤバイ。歌のカットインとか、主人公の能力解放とかイチイチカットインいれなくていいよ…いれるにしてももうちょっと短いやつにしてくださいよ…
ボス戦じゃ、フォースフィールドっつーボスの放つオーラみたいなのがあって、それのせいで敵が強くなってこっちの攻撃ダメージが減少しちゃうんだけど、それを解除するには歌姫が歌で味方を鼓舞しなくちゃいけないのな。
だもんでボス戦では常に歌姫が歌を歌ってるわけなんだけど、歌を歌い始めたら高確率で行動時に歌姫のカットイン＋セリフと行動キャラのカットイン＋セリフが入るのが鬱陶しい。
キャラを動かすまでに数秒強制的に待ちの時間が入る上、スキップも出来ず、演出なしにするようなコンフィグもないからどうしようもない。
別にこれだけみてりゃーそんなに対したことないように思えるんだけど、ヌルゲーなのにサクサク進めれないってのは結構ストレス溜まるんだよね。
キャラクターについて。
これはまあ悪くなかった。つーかこれまでのTonyシャイニングから人気キャラ出しまくってるから悪くなりようがない。完全新規のプレイキャラは4人くらいしかいなくて、他の20人弱は全部過去作からの出演だし。
ただ前作で主役だったリックとメインヒロインの3人娘はしょっぱなから凄い扱いになっててびっくりした。ゲーム始まった時点で、リックさんは前作の面影なんぞどこにもなくなすすべもなく故郷を滅ぼされたせいで復讐鬼になってるし、ヒロインズは故郷滅ぼされた時にみんな死んじゃった、みたいなー。 俺はハーツにそこまで思いいれなかったから別に何とも思わなかったけど、シャイニングハーツが好きって人にはきついと思われ。
歌について。
今作は歌姫と歌の設定が全面に押し出されててキャッチコピーは「七色の歌が世界を救う」なんだけど、この歌がね……物語中で流れる場面と超ミスマッチ。
伝説の力の封印を解く神秘的な場面で「今、あなたの頭に浮かんだ歌を歌えばいいのよ」とかなんとか言って歌を初披露する、ってのがパターンの流れなのに、そこでかかる歌が超ノリの良い曲だったりして雰囲気ブチ壊し。
西洋ファンタジー風の世界で突然始まるノリノリのJ-POPとか、お前それどこで聞いて頭に浮かんだんだよ、と。
歌をウリにするならシーンに合った歌を作って歌えばいいのに、なんか「歌姫のCV豪華です！ゲーム中の重要なシーンで流れます。キャラソン出すから買ってね」的な世界観外の思いを強制的に見せられたようで、一気に現実に引き戻されて醒めるわ。
キャラソンとしてはどれも悪くないし、好きな曲もある。それは間違いない。ただシーンに怖ろしくあってない。戦闘シーンで「星間飛行」が許されるのは「マクロス」の世界だからだよ？西洋ファンタジー風の世界……「FF６」のオペラで「あいたかった〜あいたかった〜あいたかった〜YES！」とか流れたら場違い感ハンパないよね？変な例えだけど、そういうことだと思うの。
ストーリーについて。
これももう、いつものTonyシャイニングの如くすべてがふつーのストーリーだった。特に意表をつく展開もなく、どんでん返しもなく、修羅場的な修羅場でフラストレーションをためて決戦で爆発といった感じの燃えるとこもなく……
悪いやつが悪神の復活をたくらんで色んな国を襲い始めたぞー→国がどんどんやられていくぞー→逃げ延びた主人公はレジスタンスで頑張るぞー→頑張りだしたらどんどん敵をやっつけれていくわー→ピンチに陥ったような気がしたけど、なんかみんなが俺を助けに来てくれたおかげでなんともなかったんだっぜ→悪神復活したけど、伝説の力で倒しちゃった
という、いつものファンタジーストーリーです。普通はこのおおまかな流れに色々イベントを肉付けしていって面白いものにしていくんだけど、シャニブレは肉付けされた何かの印象がすげー薄い。だからおおまかな流れしか記憶にない。
ちなみにティアーズもウィンドもハーツも、はっきりストーリーを思い出せなかったりする。だいたいおおまかにこんなことあったな、くらいしか出てこないんだよね。多分近いうちにブレイドもそうなる。
キャラエンドは期待していたほどのものではなかった。まだハーツの方がマシ。ラブコメ要素はほぼないと思ってもらえればいい。そこを期待して買うと爆発する。
特に前作で人気がありながらキャラエンドのなかったマキシマさんは酷い。
今作でめでたくＷ主人公になって、いよいよ専用エンドも用意されてる―――と思いきや、エンディング後に裏ボス撃破エンドまでいっても、結局男主人公にも壁を作ったまま全てを語らずに、「（世界を救ったりして）頑張った後輩に対しておねえさんがちょっとしたご褒美をあげよう。頑張った頑張った。ヒロイン？恋人？ナニソレ」で終わったし。
しかもなんか次の作品にも出てきそうな発言してて……なんか次回作でようやくヒロインになりました、とか言いだしそうな雰囲気。ぶっちゃけもう「はいはい、よかったね」としか思えない気がする。
他の各種ヒロインエンドも正直微妙。ラブコメ要素が少ないのに、最後でいきなりとってつけたように恋人うんぬんの会話をされてもなぁって感じ。しかも普通に読んでて数分もかからずに会話終了でＦＩＮ。あっさりどころの話じゃない。
数十時間の結果がコレかと思うと本当に何してたんだろ、と思ってしまう。
そんなわけで、戦闘に歯ごたえを期待するのはダメ。Tonyキャラのラブコメを期待してもダメ。面白いストーリーを期待するのもダメ。シャイニング信者にはオススメ“できるけど”信者以外には100%オススメしない、そんなゲームがシャイニング・ブレイドでした！
でも次回作が出たら買うけどな！完全にかつてのIF、冥界信者の状態だけどｷﾆｼﾅｰｲ!!
